ベルギーの有名なショコラティエ ドミニク・ペルソーヌは、これまでのベルギーショコラからは考えられない、見た目がポップでロックなだけでなく、食べても美味しいチョコレートを生み出しているショコラティエです。
彼のチョコレートに対する情熱と愛情は尽きることなく、その作品はいつも私たちに新鮮な驚きと感動を与えてくれます。
今回、私たちはドミニクの情熱と愛情の源を訪ねて、メキシコにあるドミニクの所有するカカオ農園を訪ねました。
カカオを求めてメキシコを訪ねる
ドミニクのカカオ農園は、ユカタン半島の街・メリダから車で1時間ほどのウシマルにあります。
ウシマルは古代マヤ文明が栄えた場所で、街のあちらこちらに写真のようなマヤ文明の遺跡が遺っています。
メリダにあるドミニクのカカオ農園では、栽培が難しい「クリオロ種」のカカオを栽培しています。
クリオロ種は貴重な白カカオと呼ばれる品種で、他の品種よりも色が白いのが特徴です。
クリオロ種から作られたチョコレートは、乳成品を使わずに作るダークチョコレートでも、ミルクチョコレートのような色合いになるのが特徴です。
クリオロ種のカカオは香りが豊かで苦味が少なく、後味がまろやかなことから非常に人気があります。
しかし栽培が難しいため、世界中で作られているカカオの5%にも満たないのです。
質なカカオを作るために
良質なカカオを作るために、ドミニクの農園では様々な工夫が行われています。
これは、カカオの木です。
このカカオ農園では、良質なカカオを作るために、健康な枝を接ぎ木して、不良な枝は切り落とす工夫をしています。
良質なカカオポッド(カカオの実)を作るためには手間を惜しまないことが、良質なカカオを、そして素晴らしいチョコレートを生み出すのです。
こうして育てられた立派な木から取れるカカオポッドは、次の工程に移されます。
カカオポッドの中には、たくさんのカカオ豆が詰まっています。
しかしカカオ豆はパルプに包まれており、カカオポッドを割ってすぐにチョコレート作りに使うことはできません。
上の写真のように収穫したカカオポッドからカカオ豆を取り出し、バナナの葉を敷いた木箱の中で一週間程度、豆を覆う白いパルプごと発酵させる必要があります。
ちなみに、カカオ豆を覆っている白いパルプは甘く、とても美味しいです。
何度でも食べたくなる美味しさですが、残念ながら、パルプは現地でしか味わうことができません。
発酵させたら、いよいよカカオ豆を取り出します。
風通しの良いネットハウスの中で乾燥させれば、チョコレートの原料となるカカオ豆の完成です。
ネットハウスの中はカカオの香りに溢れています。
前編では、カカオを栽培し、カカオ豆を取り出すところまでをご紹介しました。
次の記事では、ドミニクのカカオ農園や近所にある様々なものにスポットライトを当ててご紹介したいと思います。
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